ねぇ、聞いた？〇〇さんの旦那さん、大変なことになってるらしいよ。
え？どういうこと？
なんか実の両親が突然現れて、遺産をよこせとか大騒ぎしたんだって…。
うわ…そんなの、まるでドラマみたいな話ね。
夫の知られざる過去と突然の試練
私はこれまで夫を支え、義実家の皆さんとも良好な関係を築いてきました。しかし、年末に義父が突然他界したことで、私たち家族の平穏な日々が一変しました。
夫（36歳）が、実は養子だったことを知ったのは、その直後のことでした。
そして、その事実をきっかけに、義実家に突然現れたのが、夫の「実の両親」と名乗る人たちと、彼らに連れられた夫の「実の弟」でした。
実両親の突然の要求「遺産をよこせ！」
義父の49日の法要の最中、見知らぬ男女が突然現れました。
「息子が遺産を相続したんだから、俺たちにも当然権利がある！」
「もう邪魔者もいなくなったんだから、これからは家族として付き合っていきましょう！」
全員が呆気にとられていると、これまで悲しみに暮れていた義母が突然キリっとした表情になり、
「A（夫）はどこを取っても正真正銘うちの息子！お前たちとは一切関わりがない！」
と、怒り狂って座布団で実両親たちを叩き始めました。
その場はホテルの係員に頼んで、彼らをつまみ出してもらい、なんとか法要を終えることができました。
夫の生い立ちと壮絶な過去
法要後、夫が義母に問い詰めると、彼の出生に関する真実が明かされました。
夫は生まれつき「口唇口蓋裂」でした。
そのため、実の両親は彼を何度も殺そうとし、最終的には病院に置き去りにして勝手に退院。
夫を不憫に思ったのが、当時その病院で医師をしていた夫の祖父母でした。
祖父母は夫を引き取ることを決めたものの、高齢だったため、ちょうど結婚したばかりだった義父母が正式に養子として迎え入れたのです。
それ以来、夫は本当の家族として育てられ、実両親とは一切関わりを持つことなく過ごしてきました。
10年越しの接触と実両親の目的
実は、義祖父が亡くなった10年前から、実両親は夫に接触を図ろうとしていたそうです。
しかし、義父が弁護士を通じて徹底的に対処し、夫が関わらないように守っていました。
実両親はかつては地主だったものの、財産を食いつぶし、借金まみれで首が回らない状態だったそうです。
そんな時、義父が亡くなり、夫が遺産を相続したと知るや否や、タカリにやって来たのです。
実両親の執拗な嫌がらせと弁護士の対応
実両親と実弟は、義実家に毎日のように押しかけ、「息子を返せ！」と叫び、警察沙汰になることもありました。
・「息子には親の面倒を見る義務がある！」 ・「今すぐ金をよこせ！」
と、まるで脅迫のような言葉を投げかけてきました。
私たち夫婦も義実家も、これ以上の嫌がらせに耐えられず、引っ越しを決意。
また、弁護士を通じて接近禁止命令を申請し、ようやく落ち着きを取り戻しました。
夫の心の傷「俺の中には時限爆弾がある…」
すべてが片付いた後、夫はポツリとこう言いました。
「俺の親は今の両親以外考えられないし、いないけど、生物学的にあの人たちと同じ血が流れてると思うと、体内に見えない時限爆弾を抱えてるような気分だ…。」
それを聞いたとき、私はやりきれない気持ちになりました。
夫は自分の出自に対して何の責任もないのに、心に重い十字架を背負って生きているのです。
口唇口蓋裂と夫の成長
夫は私と付き合い始めた頃、口元の傷を「怪我？」と聞いたことがありました。
彼は「違うよ」と笑って答えたのを思い出します。
よく見ないと気付かないほどですが、大きく笑うと少しだけ引きつることがありました。
幸い、彼の祖父が医者だったため、当時の最高の医療を受けることができ、他の患者に比べると状態は非常に良好でした。
幼い頃は発音に苦労したこともあったそうですが、今では全く問題ありません。
ただ、歯列矯正は痛くて面倒だったと笑って話していました。
まとめ 夫と家族の絆
実両親とのトラブルを乗り越え、私たちはより強く団結しました。
・夫にとって本当の家族は義父母であり、私たち。 ・実両親との関係は完全に断ち切ることができた。 ・義実家と私たち夫婦の絆はより深まった。
夫の過去は決して消えるものではありません。
しかし、これから先、夫には本当の家族がいることを伝え続けたい。
そして、「血のつながり」よりも「愛と絆」が大切なのだと、共に歩んでいきたいと思います。
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